スターティングブロックが苦手な選手は意外と多いです。
実際、指導をしていると
「ブロックがない方が速く出られます」
という声を聞くことがあります。
しかし私はいつも不思議に思います。
スターティングブロックを使って遅くなるのであれば、そもそもそんなものは競技場に置かれていないはずです。
もちろん、そう言う選手が嘘をついているわけではありません。
実際にそう感じているのでしょう。
ただ、本当の原因はスターティングブロックそのものではなく、スターティングブロックとの付き合い方にあることが多いと思っています。
今日は私なりの「スターティングブロックとの仲良くなり方」について書いてみます。
私も最初から得意だったわけではない
実は私自身、最初からスターティングブロックが得意だったわけではありません。
大きく変わったきっかけは高校1年生の冬季合宿でした。
その時、私はスタート練習を100本近く行いました。
正直、かなり疲れました。
しかし今振り返ると、それが良かったのだと思います。
疲れてくると余計な力が入らなくなります。
頑張って出ようとしなくなります。
結果的に、自然な動きでスタートできるようになりました。
技術が急に上達したというよりも、余計な力が抜けたことでスターティングブロックと仲良くなれた感覚でした。
スターティングブロックは何のためにあるのか
私にとってスターティングブロックとは、
「スタンディングでは作り出せない前傾角度を作るための道具」
です。
よく、
「ブロックを強く押せ」
と言われることがあります。
もちろん押す瞬間はあります。
しかし、それは号砲が鳴った直後の一瞬です。
私はスターティングブロックを押し続けるイメージでは走っていません。
号砲までは脱力。
号砲と同時に一瞬だけ出力。
そして前へ進んでいく。
そんなイメージです。
ブロックを攻略しようとすると上手くいかない
スターティングブロックが苦手な選手ほど、
ブロックを攻略しようとする傾向があります。
もっと押そう。
もっと大きく出よう。
もっと良い形を作ろう。
そう考えれば考えるほど、動きが重くなることがあります。
最近はSNSでも、非常に大きな1歩目を作る動画を見かけます。
一人で走っていると格好良く見えるかもしれません。
しかし実際に誰かと競争した時、その1歩目の形を作ること自体に時間を使ってしまい、置いていかれるケースも少なくありません。
スタートはポーズを作る競技ではありません。
前へ進む競技です。
私が思うスタートが上手い選手
私がスタートの上手い選手を見る時、
「押しているか」
ではなく、
「転がっているか」
を見ています。
平面を走っているというより、
下り坂をボールが転がっていくような感覚です。
上手い選手ほど無理に頑張っているようには見えません。
必要な瞬間だけ力を使い、
その後は自然に前へ進んでいきます。
だから私は、
スターティングブロックを攻略するというより、
仲良くなるという表現の方が好きです。
最後に
スターティングブロックは敵ではありません。
味方です。
ただ、多くの選手は頑張りすぎてしまいます。
もっと押そう。
もっと大きく出よう。
もっと良い形を作ろう。
そう考えすぎることで、本来の良さを消してしまうことがあります。
私自身がそうでした。
だからまずは攻略しようとしなくていいと思っています。
少しずつ慣れていく。
何本もスタートを繰り返してみる。
そして余計な力が抜けた時、
スターティングブロックはきっと今より良い味方になってくれるはずです。
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