選手だった私が母校の指導者になるまで

競技人生

現在、私は県立高校で部活動指導員として陸上競技部の指導に携わっています。

担当は主に短距離ですが、長距離以外の種目についても顧問の先生方と連携しながら関わっています。

今回は、私が部活動指導員として母校に戻ることになった経緯や、現在の指導に対する考え方について書いてみたいと思います。

母校から声をかけてもらったことが始まりだった

私自身、この高校の卒業生です。

高校卒業後も競技を続け、社会人になってからも陸上競技に取り組んできました。

そんな中、高校卒業と入れ違いで赴任した顧問の先生が定年を迎える時期となり、後任として声をかけていただいたことが始まりでした。

実はその先生は長距離が専門で、短距離の指導法を直接教わったわけではありません。

ただ、私の弟も同じ高校の陸上部に所属していたこともあり、以前から面識はありました。

正式に話が進み、志願書を提出して県の会計年度任用職員として採用されました。

気が付けば、今年で3年目になります。

当時は理解できなかった指導

高校時代の私は、今ほど指導について深く考えていませんでした。

当時の顧問の先生は跳躍種目を専門としていましたが、短距離選手だった私にも様々な考え方を伝えてくれました。

しかし、高校生だった私はその意味を十分理解できていたとは思いません。

練習をこなすことに精一杯で、「なぜその練習をするのか」まで深く考えることは少なかったように思います。

ところが高校卒業後も競技を続ける中で、その考え方の意味を少しずつ理解するようになりました。

そして、自分なりに短距離に特化した形へ発展させながら練習を続けました。

結果として、高校時代100m11.08、200m22.72だった自己ベストを、社会人になってから100m10.70、200m21.54まで更新することができました。

現在選手たちに伝えている内容の多くは、その過程で実際に試行錯誤しながら身につけてきたものです。

指導で大切にしていること

私が最も大切にしているのは、「高校で完成させない」という考え方です。

高校で結果を出すことはもちろん重要です。

しかし、高校卒業後も競技を続ける選手はいます。

大学や社会人になってからさらに大きく成長する選手もいます。

だからこそ私は、目先の結果だけでなく、その後の競技人生まで見据えて指導したいと考えています。

また、自分で修正点を見つけられる選手になってほしいとも思っています。

私は週に3回程度しか直接指導できません。

残りの日は選手たち自身で練習を行います。

そのため、私がいなくても練習が成立するチームでなければなりません。

選手同士で意見を出し合い、お互いにアドバイスできる環境づくりを意識しています。

指導に行けない日も指導は続いている

現在はInstagramを活用しながら選手たちとやり取りをしています。

選手たちには練習動画や練習内容を共有してもらい、私はコメントで修正点や改善案を書き込んでいます。

直接会えない日でも、できる限り継続して指導できる環境を作りたいと思ったからです。

便利な時代になったなと思う反面、自分が高校生の頃にこれがあったらどうなっていただろうとも考えます。

一番嬉しかったこと

これまで指導をしてきて、もちろん初めて10秒台の選手が誕生した時は嬉しかったです。

しかし、それと同じくらい嬉しかった出来事があります。

今年の3月に卒業した選手たちのうち、6人が競技継続を選んでくれたことです。

大学、専門学校、社会人と進路は様々ですが、それぞれが陸上競技を続けることを選びました。

そのうちの一人は、現在私が所属している社会人チームで競技を続けています。

高校卒業後も競技を続けたいと思ってもらえたこと。

それは私にとって大きな喜びでした。

部活動指導員だから見られる景色

私は教員ではありません。

しかし、選手たちの成長を近くで見守り、一緒に喜び、一緒に悩むことができます。

大会で結果が出た時の嬉しさもありますが、日々の小さな成長を見られることも大きな魅力です。

よく「大変ではないですか」と聞かれることもあります。

もちろん責任はありますし、学校や顧問の先生方との連携も欠かせません。

それでも私は、この立場だからこそ味わえる青春のおすそ分けをもらっているような感覚があります。

まとめ

高校時代には理解できなかった指導。

社会人になってから気付いたこと。

そして今、それを後輩たちへ伝える立場になりました。

まだまだ私自身も勉強中です。

それでも、競技を通じて学んだことを少しでも次の世代へ伝えていきたいと思っています。

これからも選手たちと一緒に成長していけたらと思います。

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