「力を抜いて走れ」とはどういう意味なのか

短距離

陸上を始めると必ず言われる

陸上を始めると、多くの選手が一度は言われます。

「力を抜いて走れ」

私も何度も聞いてきました。

しかし、高校生の頃は正直よく分かりませんでした。

力を抜いたら遅くなると思っていたからです。

実際、高校生を見ていても同じような選手は多くいます。

「力を抜いて走りました」

と言いながら、ただダラダラ走っているだけだったりします。


力を抜くことが目的ではない

私は「力を抜け」という言葉自体は間違っていないと思っています。

ただ、勘違いしやすい言葉でもあります。

力を抜くことが目的ではありません。

本当に大切なのは、

力を入れるタイミングを作ること

です。


地面に触れていない時は力を入れる必要がない

私は基本的に、

地面に触れていない時は力を入れる必要はないと考えています。

もちろん体幹などは必要です。

しかし空中にいる間まで全身に力を入れていても、前には進みません。

走る中で本当に力が必要なのは、

地面に触れている瞬間です。

だから私は、

抜いていい場所は抜く。

入れる場所では入れる。

そう考えています。


野球やサッカーと同じ

これは野球やサッカーを考えると分かりやすいかもしれません。

野球でタイミングを外されると、うまく打てません。

力は入っているのに飛ばないことがあります。

サッカーも同じです。

蹴る前から力み続けていても、ボールは飛びません。

蹴る瞬間に力が入るから飛びます。

走ることも本質的には同じです。


なぜ走ると分かりにくいのか

ただ、一つ違うことがあります。

野球やサッカーは、

恩恵を受けるのがボールです。

だから飛距離や速度として目に見えます。

しかし走る場合、

恩恵を受けるのは自分自身です。

だから、

「今の接地で力が伝わった」

という感覚が分かりにくいのです。

その結果、

力を抜くこと自体が目的になってしまう選手もいます。


私が考える脱力

私にとって脱力とは、

力を入れないことではありません。

必要な時に力を入れるために、

不要な時の力を抜くことです。

そして、

抜いた時と入れた時の差が大きいほど、

加重は強くなると考えています。


最後に

私は選手によく、

「力を抜いて走れ」

と言うことがあります。

しかし本当に伝えたいのは、

ダラダラ走れということではありません。

力を抜くことが目的ではなく、

力を入れるタイミングを作ること。

野球やサッカーでボールを飛ばす感覚と同じように、

走る中でも必要な瞬間に力を出せる状態を作ること。

私はそういう意味で、

「力を抜いて走れ」

と伝えています。


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