私は質問してくる選手に良い顔をする。
たぶん他の選手から見ても分かると思う。
質問が来ると嬉しそうにしているし、話も長くなる。
だからといって、私は質問してくる選手だけを評価しているわけではない。
ではなぜ、私は質問してくる選手に良い顔をするのだろうか。
質問されると、まず自分を疑う
選手から
「分かりません」
と言われた時、私はまず自分を疑う。
もちろん、選手側の理解不足ということもある。
しかし最初に考えるのは、
「私の説明のどこが足りなかったのだろう」
ということだ。
これは会計事務所で働いていた頃の影響が大きい。
社長に説明する時もそうだった。
後輩に教える時もそうだった。
伝わらなかった時に、
「相手が悪い」
では仕事にならない。
どう伝えれば分かったのか。
何が足りなかったのか。
どの言葉なら伝わったのか。
それを考える癖がついている。
だから選手から質問されると、
まず自分の説明を振り返る。
質問は選手の現在地を教えてくれる
質問には情報が詰まっている。
選手がどこで悩んでいるのか。
何を理解していて、何を理解していないのか。
どの言葉が伝わっていて、どの言葉が伝わっていないのか。
質問を聞けば、それが見えてくる。
だから私は質問が好きだ。
質問があると、次に何を伝えれば良いかが分かる。
逆に質問が全く無いと、どこまで理解しているのか分からないこともある。
高校生らしくない質問がある
たまに驚く質問が来る。
「腰の切り替えが上手くできていない気がします」
「接地感が変わったんですが、どう思いますか」
高校生ではなかなか出てこない言葉だと思う。
もちろん言葉そのものが大事なのではない。
そこまで考えていることが嬉しいのだ。
練習が終わった後も考えている。
動画を見ている。
メモを書いている。
仮説を立てている。
だからそんな質問になる。
私は質問内容よりも、その背景にある思考量を見ているのかもしれない。
選手の質問は指導者の経験値になる
実は質問で得をしているのは選手だけではない。
指導者も得をしている。
例えば選手から質問が来る。
私は考える。
説明する。
そして別の選手に同じような場面が来る。
すると前回よりも良い説明ができる。
前回よりも早く原因に辿り着ける。
つまり、選手の質問が私の経験値になっている。
私はゲームが好きだが、これはマイクラの自動回収装置に近い。
選手が質問する。
私が考える。
経験が貯まる。
次の選手に還元する。
また経験が貯まる。
気付けばチーム全体が成長している。
そんなイメージだ。
質問に嫌な顔をしたくない
私は質問に嫌な顔をしたくない。
なぜなら、質問は成長の入口だからだ。
そして質問は、選手だけでなく指導者も成長させてくれる。
もちろん、すぐ答えられないこともある。
私だって万能ではない。
答えを持っていないこともある。
それでも良いと思っている。
答えが無ければ、一緒に考えれば良い。
むしろ、その時間に価値がある。
だから私は質問を歓迎したい。
質問してくれる選手に良い顔をしたい。
それは質問されることが嬉しいからではない。
その質問が、選手と指導者の両方を成長させてくれるからだ。
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