なぜ私は選手に練習メモを書かせるのか

指導論

最初はそこまで深く考えていなかった

私のチームでは練習メモを書いています。

練習が終わった後、その日の内容や気付いたことを記録します。

今では当たり前になっていますが、最初から明確な目的があったわけではありません。

私自身が競技者として練習メモを書いていたので、選手にも書かせてみようと思っただけでした。

しかし数年続ける中で、私は練習メモの本当の価値に気付きました。

今では速くなるための練習以上に大切な役割があると思っています。


練習メモは記録ではない

練習メモというと、

「今日何をやったかを記録するもの」

と思われることがあります。

もちろんそれも大切です。

しかし私が本当に見ているのはそこではありません。

今日は何ができたのか。

何ができなかったのか。

なぜそうなったのか。

そして次に何をするのか。

そこを見ています。


現状確認だけでは成長しない

多くの選手は現状確認まではできます。

スタートが悪かった。

接地が上手くいかなかった。

加重ができなかった。

ここまでは意外と書けます。

しかし成長する選手は、その先があります。

次は何を試すのか。

どう改善するのか。

そこまで考え始めます。

私は以前、

「考える選手は伸びる」

と思っていました。

しかし今は少し違います。

考えるだけでは足りません。

考えたことを次の行動に変えられる選手が伸びるのだと思っています。


点と点が繋がり始める

以前、ある選手が私にこう話してきました。

「あの動きって、あのドリルの動きですよね」

私はその言葉が印象に残っています。

試合の動画。

過去の失敗。

練習で行ったドリル。

他の選手の動き。

それまで別々だったものが繋がり始めていたからです。

私はそういう瞬間を見ると、

この選手はまだ伸びると思います。

練習メモは、その点と点を繋ぐ作業でもあります。


書くだけでは意味がない

もちろん、練習メモを書けば全員が伸びるわけではありません。

実際に毎日書いていても、思うように伸びなかった選手もいました。

大切なのは量ではありません。

書いた内容を行動に繋げられるかです。

考える。

整理する。

改善案を作る。

試す。

また振り返る。

この流れができて初めて意味があります。


なぜInstagramなのか

実は私のチームではInstagramを使っています。

最初は特別な理由があったわけではありません。

私は県立高校の部活動指導員です。

そのため、生徒とSNSで一対一のやり取りをすることは避けたいと思っていました。

そこで、

「個別にやり取りしなければいいのではないか」

と考えました。

今思えばかなり雑な発想です。

そこで選んだのがInstagramでした。

選手は練習メモを投稿し、私をメンションします。

私はコメントで返します。

全員が見ることができます。

DMは使いません。


結果的にそれが良かった

今振り返ると、それが良かったのかもしれません。

LINEで個別にやり取りしていたら、

選手と私だけの会話で終わっていたと思います。

しかしInstagramでは違います。

他の選手の考え方が見える。

他の選手の失敗が見える。

他の選手の改善方法が見える。

そして選手同士でもアドバイスが始まります。

最初から狙っていたわけではありません。

結果的に、選手同士が学び合う環境ができていました。


練習メモがチーム文化を作った

今振り返ると、

私のチームで行っていることの多くは練習メモと繋がっています。

現状確認。

課題発見。

改善案。

質問。

動画確認。

選手同士のアドバイス。

どれも練習メモから始まっています。

だから私は練習メモを書かせています。

速くなるためだけではありません。

自分で考えられる選手になってほしいからです。


最後に

私は選手に答えを与え続けたいわけではありません。

最終的には、自分で考え、自分で改善できる選手になってほしいと思っています。

練習メモはそのための道具です。

書くことが目的ではありません。

考えることが目的でもありません。

考えたことを次の行動に変えること。

その力を身につけてほしいと思っています。

だから私は今も、選手たちに練習メモを書かせています。

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